No.38新着 無料低額宿泊所と「貧困ビジネス」対策:2020年の最低基準・日常生活支援住居施設と入居者の状況
2018年の法改正で、無料低額宿泊所に法定の最低基準(2020年4月施行)を設け、支援付きの「日常生活支援住居施設」を制度化した。2020年9月の調査で施設は608、入居者1万6,397人のうち1万5,183人が受給者。
本文と出典
【要点】
・無料低額宿泊所は、生計が困難な人に無料または低額で宿泊所などを使わせる事業(社会福祉法第2条3項8号)。受給者を劣悪な環境に住まわせ保護費の多くを取る「貧困ビジネス」が問題とされてきた。
・2018年6月成立の改正社会福祉法で、それまで通知で定めていた設備・運営の基準を法定の最低基準(厚生労働省令)にした(2020年4月施行)。居室の最低面積や個室化を定め、多人数部屋と簡易個室は2022年度末までに解消することとされた。
・同じ年の改正生活保護法で、1人での生活が難しい受給者の日常生活支援を委託できる「日常生活支援住居施設」を設けた(2020年4月認定開始)。
【数字・中身】
厚生労働省の調査(2020年9月末時点):
・施設数:608(前回2018年調査より38増)。全室個室の施設は528(約87%)
・運営主体:NPO法人413(67.9%)、営利法人110(18.1%)、社会福祉法人34(5.6%)など
・入居者:16,397人(うち生活保護受給者15,183人)。65歳以上が約46%
・首都圏1都3県に入居者の約77%、施設の約74%
・日常生活支援住居施設の認定:79施設(2021年4月1日時点)
国の最近の対応(2026年3月の会議資料):
・2024年4月25日・2025年7月24日の事務連絡で留意事項を周知し、自立を阻害する物件や施設の事例を把握したら共有・報告するよう依頼
・生活支援サービスが自立を阻害していないか確かめるチェックリストを示す予定
・2026年度予算案に「貧困ビジネス対策事業」を盛り込んだ
・住居のない人に、無料低額宿泊所への入所に同意しなければ申請できないと説明しないよう求めている(生活保護法第30条2項:本人の意に反して入所を強制できると解釈してはならない)
【注意】
・施設と入居者の数は2020年の調査が今回確かめられた最新で、その後の調査結果は2026年度に公表予定とされている。
・届出のない施設は調査に含まれない。
【出典】
・無料低額宿泊事業を行う施設の状況に関する調査結果について(令和2年調査)(厚生労働省・2021年8月3日修正版)https://www.mhlw.go.jp/content/000815988.pdf
・令和7年度 社会・援護局関係主管課長会議資料(資料3)保護課/保護事業室(厚生労働省・2026年3月17日)https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/001671241.pdf
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