No.18新着 生活保護費の国と自治体の負担割合(国3/4・自治体1/4)と2005年の負担見直し論議
生活保護費は国が3/4、福祉事務所を置く自治体が1/4を負担する(生活保護法第75条)。2023年度の事業費3兆6,007億円なら国は約2兆7,005億円。2005年には負担割合の見直しが議論された。
本文と出典
【要点】
・生活保護法第75条は、市町村・都道府県が支払った保護費などの3/4を国が負担すると定めている。残り1/4は保護を実施する自治体(市・福祉事務所を置く町村・都道府県)の負担。
・2023年度の事業費3兆6,007億円に当てはめると、国の負担は約2兆7,005億円、自治体は約9,002億円(このサイトでの計算)。
・2005年、国と地方の協議会で負担の見直しが議論され、厚生労働省の見直し案に地方六団体が反対した。
【数字・中身】
法律の定め(生活保護法・2026年10月時点):
・第70条・第71条:保護を実施した市町村・都道府県がまず保護費を支払う(支弁)
・第75条1項:国は、市町村・都道府県が支払った保護費・保護施設事務費・委託事務費の3/4を負担
・第73条:住所がない(はっきりしない)受給者の保護費などは、都道府県が1/4を負担(市町村の負担にしない)
・第75条:被保護者就労支援事業・健康管理支援事業も、政令で計算した額の3/4を国が負担。就労準備支援などの事業は2/3以内を国が補助できる
金額(厚生労働省資料・2023年度実績):
・事業費3兆6,007億円 ×3/4 =約2兆7,005億円(国)、×1/4=約9,002億円(自治体)※このサイトでの計算
【背景】
・2005年11月、「生活保護費及び児童扶養手当に関する関係者協議会」で、国と地方の負担のあり方が議論された(三位一体の改革の時期)。
【論点】
・地方の負担を増やす見直しに反対する立場(地方六団体の特別決議・2005年11月14日):協議会は国庫負担率の引き下げを前提にしないと確認していたのに、厚生労働省が地方の負担増を前提とした案を出したことは信義に反すると批判。最低限度の生活の保障は国が担うべきで、地方への負担転嫁だとして「断固反対」した。総務省も、生活保護の負担率は国の責務と経緯から現行水準を維持すべきとした(2005年11月10日の資料)。
・国と地方が役割と費用を分け合うべきとする立場(厚生労働省):総務省の資料(2005年11月18日)に記された厚生労働省の主張では、生活保護だけを「国の責任で行われるべきもの」とするのは適当でなく、国と地方が重層的に役割や費用負担を担うべきとした。
【注意】
・2005年の議論の最終的な決着の文書は、今回は確かめていない(現在の法律は3/4のまま)。
【出典】
・生活保護法 第70条・第71条・第73条・第75条(e-Gov 法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144
・医療扶助・健康管理支援等に関する検討会(第5回)参考資料3(厚生労働省・2026年5月15日)https://www.mhlw.go.jp/content/12002000/001700435.pdf
・生活保護等の地方への負担転嫁に反対する特別決議(地方六団体・2005年11月14日/第8回生活保護費及び児童扶養手当に関する関係者協議会 資料2-2)https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/11/s1118-13b2.html
・厚生労働省案について(総務省・2005年11月10日/第7回同協議会 資料4)https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/11/s1110-5d.html
・今後の論点(総務省・2005年11月18日/第8回同協議会 資料5)https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/11/s1118-13e.html
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