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No.123新着 被保護者健康管理支援事業(2021年1月から全福祉事務所の必須事業):ねらい・中身と実施状況、2026年3月の手引き改正

受給者の生活習慣病の予防や重症化予防を福祉事務所が行う事業で、2021年1月から全福祉事務所の必須事業。2025年の集計では健診受診勧奨を82.9%が実施する一方、主治医と連携した重症化予防は17.1%にとどまる。

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資料の日付
2026年6月23日
分野
日本の制度
立場
事実・データ
タグ
医療扶助障害・病気制度改正数字で見る
地域
日本
資料の種類
公的資料
テーマ
健康管理支援

本文と出典

【要点】 ・被保護者健康管理支援事業は、福祉事務所が医療・健診のデータをもとに、生活保護を受けている人の生活習慣病の発症予防や重症化予防、健康教育・健康相談を行う事業。2018年6月の生活保護法改正でつくられ、2021年(令和3年)1月から全ての福祉事務所が行う必須事業になった。 ・受給者の多くは公的医療保険に入っていないため、健康保険組合や国民健康保険が行う健診・保健指導(保健事業)の対象になっていない。この空白を福祉事務所が埋めるのがねらい。 ・厚生労働省の集計(2025年7月末までに出された397の市の報告)では、健診受診勧奨は82.9%が実施する一方、主治医と連携した保健指導・生活支援(重症化予防)は17.1%。 ・2026年3月31日に手引きが第2版へ改正され、6年1期の事業方針を立てて評価するしくみにそろえる。本格実施は2030年度(令和12年度)。 【数字・中身】 事業のしくみ(厚生労働省の担当者会議資料・2023年1月と2026年6月) ・自治体ごとに医療・健診のデータなどを分析して健康課題をつかみ、事業方針を立てる ・取組の例は、ア 健診受診勧奨、イ 医療機関受診勧奨、ウ 生活習慣病などの保健指導・生活支援、エ 主治医と連携した保健指導・生活支援(重症化予防)、オ 頻回受診指導。オは必須で、ア〜エから選んで加える ・2021年6月の法改正で、事業に必要なときは福祉事務所が市町村長などに受給者の健診情報の提供を求められるようになった 取組の実施状況(厚生労働省「医療扶助・健康管理支援等に関する検討会」第2回資料・2025年10月30日) ・集計の対象は、2025年7月末時点で提出があった政令市・中核市・一般市の報告のうち、決まった様式で書かれた397件 ・ア 健診受診勧奨 329(82.9%)、イ 医療機関受診勧奨 195(49.1%)、ウ 保健指導・生活支援 193(48.6%)、エ 主治医と連携した重症化予防 68(17.1%)、オ 頻回受診指導 265(66.8%) ・健診受診勧奨を行う自治体のうち、組み合わせで最も多いのは「健診受診勧奨と頻回受診指導だけ」の71(21.6%)。5つすべては40(12.2%) ・事業に1人以上を置いている割合(同じ資料の人員体制の表):保健師29.5%、看護師16.6%、栄養士13.1%、医師・歯科医師4.8%。事務職・その他を除く専門職などを1人以上置いているのは56.9% 健診の受診率(同じ資料・地域保健・健康増進事業報告をもとに厚生労働省が作成) ・医療保険に入れない受給者などが対象の健康増進法の健診(40〜74歳)は、2023年度に7万8,360人が受診し、受診率は7.9%。2008年度は5万3,733人・8.0%で、15年間ほぼ5〜8%台で推移している ・同じ健診の保健指導の利用者は、2023年度3,800人・利用率30.4% 施行直後の状況(2023年1月の担当者会議資料・厚生労働省の2021年度社会福祉推進事業の調査をもとに作図) ・いずれかの取組を行う福祉事務所は93.9%、「いずれも実施していない」は3.6% ・保健師などの保健医療の専門職が福祉事務所にいる割合は59.8%(回答のあった784か所)。ケースワーカーの人数は約9割が「施行の前後で変わらない」 ・手引きで例を示した目標・評価指標を実際に決めている福祉事務所は3割未満 【背景】 ・厚生労働省の年表では、2014年12月の研究会のまとめ、2015年3月の課長通知、2017年5月の検討会のまとめを経て、2018年6月の法改正で事業がつくられた。2020年度までは試行・準備事業を行い、2021年1月に施行した。 ・2026年3月の手引き第2版は、医療保険の第3期データヘルス計画(2024〜2029年度)にそろえた。厚生労働省は、福祉事務所の課題として専門職の不足・業務の忙しさ・データ分析のノウハウ不足、健診を行っていない自治体があること、報告様式が煩雑なことを挙げている。 ・第2版では保健事業を「健康状態の把握」「状態に応じた個別的支援」「健康教育や普及啓発」の3本の柱に整理し、専門職を確保しにくい自治体でもできる取組や、福祉事務所以外に専門的な対応を任せる取組の例を加えた。同時に、衛生部局・データヘルス担当部局と連携するよう求める通知も出した。 ・事業が始まる前の2019年に福祉事務所16か所に聞いた研究(日本公衆衛生雑誌・2022年)では、受給者の健康意識や健康状態の改善への期待がある一方、実施体制づくり、評価指標や対象者の決め方、専門職の確保に難しさを感じているという回答だった。 【注意】 ・397件の集計は政令市・中核市・一般市の報告のうち様式どおりのものだけで、都道府県・町村や様式の違う報告は入っていない。全国の全福祉事務所の割合ではない。 ・2021年度調査(93.9%など)と2025年の集計(82.9%など)は、対象も聞き方も違うので、そのまま比べて増減を言うことはできない。 ・健診の受診率7.9%は健康増進法にもとづく健診だけの数字で、受給者が別の形で受けた健診は含まれない可能性がある。 ・医療扶助の額や中身は別の記事(「医療扶助の中身」「生活保護費の総額と内訳」)を参照。 【出典】 ・令和8年度「医療扶助・健康管理支援等に関する担当者会議」(第1回)(厚生労働省・2026年6月23日)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73960.html ・資料1 医療扶助・健康管理支援等に係る取組の見直し内容について(厚生労働省・2026年6月23日)https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001713550.pdf ・医療扶助・健康管理支援等に関する主な論点(医療扶助・健康管理支援等に関する検討会 第2回 資料・厚生労働省・2025年10月30日)https://www.mhlw.go.jp/content/12002000/001590771.pdf ・令和4年度「被保護者健康管理支援事業に関する担当者会議」(厚生労働省・2023年1月12日)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30187.html ・資料1 被保護者健康管理支援事業の現状と今後の方向性(厚生労働省・2023年1月12日)https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001034596.pdf ・上野恵子・西岡大輔・近藤尚己「生活保護受給者への健康管理支援事業に対する福祉事務所の期待と課題認識」(日本公衆衛生雑誌・2021年10月29日早期公開、69巻1号)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jph/advpub/0/advpub_21-070/_article/-char/ja/

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