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No.7新着 扶養照会の運用見直し(2021年2月26日の厚労省通知・事務連絡)

厚労省は2021年2月、親族に扶養できるか問い合わせる「扶養照会」をしなくてよい例を広げ、「20年間音信不通」の例示を「10年程度」に改めた。支援団体は本人の事前承諾を条件にするよう求めた。

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資料の日付
2021年2月26日
分野
日本の制度
立場
賛否のある論点
タグ
扶養照会制度改正コロナ禍
地域
日本
資料の種類
公的資料
テーマ
扶養照会

本文と出典

【要点】 ・扶養照会は、福祉事務所が申請者の親族(扶養義務者)に、援助できるかを問い合わせること。 ・厚生労働省は2021年2月26日、課長通知と「生活保護問答集」を改正し、「扶養義務履行が期待できない者」の判断基準を示した。照会は「扶養義務の履行が期待できる」と判断された人にだけ行う。 ・音信不通の例示は従来の「20年間」から「例えば10年程度」に改められた。 ・支援団体は、照会は申請者が事前に承諾した場合に限るべきだと求めた。 【数字・中身】 厚生労働省 事務連絡(2021年2月26日)が示した「扶養義務履行が期待できない者」の3つの例: ・① 扶養義務者が被保護者、施設入所者、長期入院患者、主な生計維持者でない働いていない人(いわゆる専業主婦・主夫など)、未成年者、おおむね70歳以上の高齢者など ・② 借金を重ねている、相続で対立している、縁が切られているなど著しく関係が悪い場合。一定期間(例えば10年程度)音信不通なら著しい関係不良とみなしてよい ・③ 扶養を求めると明らかに本人の自立を妨げる人(夫の暴力から逃れてきた母子、虐待の経緯がある人など)。この場合は夫婦・親子でも照会を控える 調査の手順: ・扶養義務者がいるかを確かめる→聞き取りで扶養の可能性を調べる(金銭だけでなく精神的な支援も確認)→「期待できない」と判断すれば照会しない ・夫婦と、中学3年以下の子に対する親は「生活保持義務関係」として、照会しない場合も関係機関への調査を行う ・音信不通の正確な期間が分からなくても、相当期間音信不通との申し出があり、それを否定する明確な根拠がなければ該当とみてよい 【背景】 ・生活保護法第4条2項は、扶養を保護の「要件」ではなく保護に「優先」するものと定めている。事務連絡は、これは仕送りなどが実際にあれば収入として扱う意味で、扶養の可否が保護の要否の判定に影響するものではないと説明している。 ・2021年3月30日には問答集がさらに改正された(4月1日施行)。支援団体の見解によると、申請者が照会を拒む場合は、理由を特に丁寧に聞き取り、「期待できない者」に当たるかを検討すべきとされた。 【論点】 ・照会のしくみは保ちつつ対象をしぼる立場(厚生労働省):扶養は保護に優先する(法第4条2項)。照会は「期待できる」と判断した人にだけ行い、DVや虐待の相手方などには照会しない。扶養には経済的な援助のほか、定期的な訪問や電話などの精神的な支援も含まれる(2021年2月26日事務連絡・2025年の研修教材)。 ・さらに改めるべきとする立場(一般社団法人つくろい東京ファンド・生活保護問題対策全国会議、2021年2月28日の緊急声明):扶養を求めるかは本来本人の自由であり、照会は「申請者が事前に承諾し、かつ明らかに扶養が期待できる場合」に限るべき。2月の通知は「小手先の微修正」で、照会が利用をためらわせる問題の根本的な解決にならないとした。3月30日の改正については、事前承諾までは認められなかったが運用を大きく改善しうるとして一部を評価した(2021年4月7日の見解)。 【注意】 ・2021年2月28日の緊急声明は、コロナ禍が広がる中で扶養照会が利用をためらわせる大きな原因になっているとし、同年1月28日の参議院予算委員会での厚生労働大臣の答弁にも触れている。 ・照会の実施件数や照会で仕送りにつながった割合は、この記事では扱っていない。 ・2021年3月30日の問答集改正の文言は、支援団体の見解による引用で確かめた(厚生労働省の原文は今回開けていない)。 【出典】 ・扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について(厚生労働省社会・援護局保護課 事務連絡・2021年2月26日)https://www.mhlw.go.jp/content/000746078.pdf ・生活保護ケースワーカー向け研修教材 No.2-1「生活保護の基本的な実務」(厚生労働省・2025年掲載)https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001482897.pdf ・生活保護の扶養照会に関する厚生労働省通知に関する緊急声明(つくろい東京ファンド・生活保護問題対策全国会議・2021年2月28日)https://dept.sophia.ac.jp/is/igc/csa/pdf/E4-2.pdf ・生活保護の扶養照会に関する3月30日付厚生労働省通知に関する見解(同・2021年4月7日)https://dept.sophia.ac.jp/is/igc/csa/pdf/E4-3.pdf

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