No.65新着 資産の要件の比較(EU各国・2025年報告):住んでいる家は除く国が多く、ドイツは最初の1年4万ユーロまで
EUの「2025年 最低所得報告」によると、加盟国の58%は住んでいる家を資産の審査から外している。預貯金はドイツが世帯主で最初の1年4万ユーロ・その後1万5千ユーロまで、デンマークは単身で約1,335ユーロまで認める。
本文と出典
【要点】
・最低所得の給付では、どの国も収入の審査を行い、多くの国が預貯金・不動産・車などの資産も審査する。
・EUの2025年の報告が引くOECDの比較(2024年11月)によると、加盟国の58%は住んでいる家(主たる住居)を資産の審査から外している。別荘や土地は受給に影響するか、受けられなくなる原因になることが多く、車は加盟国の半分で受給に影響しうる。
・預貯金の扱いは国によって大きく違う。ドイツは世帯主について最初の1年は4万ユーロ、その後は1万5千ユーロまで認める。
【数字・中身】
住まい:
・住んでいる家を審査で考えない国:スペイン、ラトビア、ハンガリー、マルタ、オーストリア、スロベニア、スロバキア、フィンランドなど(家の価値によることもある)
・不動産で受けられなくなる例:キプロスは家族の不動産の評価額が10万ユーロを超えると対象外。イタリアは住んでいる家を15万ユーロまで差し引いたうえで、税の評価額3万ユーロを超える不動産があると対象外
・デンマークは、不動産を担保に借り入れができる場合に限って給付が減ることがある
預貯金(審査から外す額の例):
・ドイツ:世帯主 最初の1年4万ユーロ、その後1万5千ユーロ(2023年に引き上げ)
・デンマーク:単身で約1,335ユーロ(夫婦は2倍)
・マルタ:単身1万6,000ユーロ
・ポルトガル:預金・株式などの動産の合計が3万1,350ユーロ以下
・イタリア:2025年から国債・郵便貯金証書を5万ユーロまで除外
車:
・チェコ、ギリシャ、クロアチア、イタリア、ラトビア、ハンガリー、マルタ、オーストリア、ルーマニア、スロベニア、スロバキアは、車の価値について特別の規定を置くか、子どもや体の不自由な人の送迎・公共交通がない場合などに審査から外す
資産審査の厳しさ(OECDの指標・報告の囲み記事から):
・資産がなければ受けられた人のうち資産審査で外れる人の割合:ブルガリア77%(2024年の改革で16%に低下)、デンマーク・エストニア46%、イタリア31%、キプロス14%、ハンガリー7%、アイルランド5%
【背景】
・報告は、OECD(2024年)を引いて、資産審査は不正な請求を防ぎ限られた財源を最も困っている人に向ける一方、すぐお金に換えられない資産を持つ困窮者を外したり、申請をためらわせたり、事務の負担を増やしたりすることがあるとしている。
【ほかの国では】
・日本の生活保護では、預貯金・持ち家・自動車の扱いは厚生労働省の通知などで決まっている(このサイトの別記事の題材)。
【注意】
・資産の数え方(合計額で見るか、資産ごとの上限か、収入に換算するか)が国によって違い、上限額だけを並べても厳しさの比較にはならない。
・報告の国の列挙は「例えば」として挙げられたもので、すべての国を網羅していない。金額は報告の記載時点のもの。
【原文】
・The 2025 Minimum Income Report(Council of the European Union, 14905/25 ADD 1・2025-11-12)https://data.consilium.europa.eu/doc/document/ST-14905-2025-ADD-1/en/pdf
【出典】
・The 2025 Minimum Income Report(欧州委員会・2025-12-05)https://employment-social-affairs.ec.europa.eu/2025-minimum-income-report_en
・The 2025 Minimum Income Report(EU理事会 文書14905/25 ADD 1・2025-11-12)https://data.consilium.europa.eu/doc/document/ST-14905-2025-ADD-1/en/pdf
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