No.37新着 医療扶助の後発医薬品(ジェネリック)原則化(2018年10月施行):使用割合は89.7%に
2018年の法改正で、医師が後発医薬品を使えると認めた場合は原則として後発品で給付することになった。使用割合は2013年の77.6%から2024年に89.7%(医療全体85.0%)。支援団体は受給者だけの原則化を差別だと批判した。
本文と出典
【要点】
・2018年(平成30年)の生活保護法改正で、医師・歯科医師が医学的知見に基づき後発医薬品を使えると認めたものは、原則として後発医薬品で給付すると定めた(第34条3項・2018年10月1日施行)。
・医療扶助での後発医薬品の使用割合(数量シェア)は、2024年6月審査分で89.7%。原則化前の2018年より12.1ポイント高く、医療全体(85.0%)を上回る。
・法案の審議中、受給者だけに原則化するのは選択権を奪う差別だとして撤回を求める声明が出された。
【数字・中身】
制度(厚生労働省資料・2026年5月):
・対象:処方医が一般名で処方した場合、または銘柄名の処方で後発品への変更を不可としていない場合
・例外:後発品の薬価が先発品と同じか高い場合、薬局に後発品の在庫がない場合
・2013年の法改正(2014年1月施行)では、後発品が使えるのに先発品を希望する人には、薬局が理由を確かめたうえで先発品を調剤し、理由によっては福祉事務所の健康管理指導の対象とする仕組みを設けた
使用割合(医療扶助実態統計など・各年6月審査分):
・2013年実績から2024年実績へ:約77.6%→約89.7%
・2024年:89.7%(前年比1.5ポイント増)、医療全体は85.0%
【論点】
・原則化を進める立場(厚生労働省):医療保険では自己負担があることが後発品を選ぶ動機になるが、医療扶助は自己負担がなく後発品を選ぶ動機が働きにくいことを踏まえた措置と説明している。使用割合が原則化前より12.1ポイント上がり、効果があったとしている(2026年5月の検討会資料)。
・撤回を求める立場(世界の医療団・2018年3月20日の声明):医療費削減のために受給者だけに義務付けるのは選択権を奪う差別だとした。後発品が調剤されなかった理由にはアレルギーや使用感もあり、添加物や形状の違いで不安を覚える患者もいるとし、患者に不利益がないなら国民全体に原則化すべきではないかと問い、第34条3項の撤回を求めた。
【注意】
・使用割合は数量ベースで、金額ベースではない。
・医療全体の数字は別の調査(医薬品価格調査)によるもので、調べ方が違う。
【出典】
・医療扶助・健康管理支援等に関する検討会(第5回)参考資料3「生活保護における後発医薬品の使用促進の取組」(厚生労働省・2026年5月15日)https://www.mhlw.go.jp/content/12002000/001700435.pdf
・声明:生活保護受給者に対する後発医薬品(ジェネリック)の使用を原則化する法案の撤回を求めます(世界の医療団・2018年3月20日)https://digitalpr.jp/r/26368
・生活保護法 第34条(e-Gov 法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144
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