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No.128新着 生活保護でのエアコン購入費(2018年7月から条件つきで支給)と猛暑:受給世帯の約17%がエアコンなし、「夏季加算」を求める声と国の慎重な答弁(2025年)

2018年7月から、保護開始時などにエアコンがなく熱中症予防が特に必要な人がいる世帯に購入費を出せる。受給中の買い替えは原則やりくりか貸付。受給世帯の約17%がエアコンなし(国の試算)で、夏季加算を求める声に国は慎重。

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資料の日付
2025年11月14日
分野
論点・議論
立場
賛否のある論点
タグ
高齢者障害・病気基準額制度改正
地域
日本
資料の種類
公的資料
テーマ
エアコン・熱中症

本文と出典

【要点】 ・厚生労働省は2018年6月27日の局長通知で、一時扶助の「家具什器費」に冷房器具を加え、7月1日から適用した。保護開始時・転居時・災害などでエアコンがなく、熱中症予防が特に必要な人(高齢者・障害のある人・子ども・難病の人など)がいる世帯が対象。 ・受給中に壊れた場合の買い替えや修理は、これまでどおり保護費のやりくりか、生活福祉資金の貸付で賄う、というのが国の考え方。 ・政府の答弁書(2025年11月14日)によると、生活保護世帯の約17%がルームエアコンを持っていない(一般世帯の保有は約91%、2022年の調査からの試算)。 ・支援団体や自治体の議会は、冬の暖房費にある「冬季加算」と同じように「夏季加算」をつくることや支給条件の緩和を求めている。国は、夏に光熱費が増える実態は確認できないとして慎重な姿勢。 【数字・中身】 エアコン購入費のしくみ(大阪府行政不服審査会の答申・2022年10月31日に引かれた国の通知) ・根拠:「生活保護法による保護の実施要領について」の一部改正(2018年6月27日 社援発0627第1号)。2018年7月1日から適用 ・条件:保護開始時に最低生活に必要な家具がないとき、長期入院・入所の後に1人暮らしを始めるとき、災害、転居でいまの家具が使えないとき、犯罪の被害で転居するとき、のどれかに当たり、熱中症予防が特に必要な人がいて、その後初めて迎える暑い時期の前にエアコンがなく、実施機関が「真にやむを得ない」と認めたとき ・額:購入費は5万円の範囲内、設置費も必要最小限で認めてよい(2022年の答申時点) ・同じ日の国の事務連絡は、受給中の日用品はやりくりか貸付で賄うことに変わりはないとしている 国の数字(内閣の答弁書・2025年11月14日・山井和則衆議院議員の質問主意書への答弁) ・熱中症による死亡者:2024年2,160人、うち65歳以上が85.0%(人口動態統計)。生活保護世帯での発生状況は「把握していない」 ・ルームエアコンを持っていない生活保護世帯:約17%。一般世帯の保有:約91%(2022年「家庭の生活実態及び生活意識に関する調査」からの試算) ・国は2025年5月30日の事務連絡で、日ごろのケースワークでエアコン購入の意向を確かめ、購入に向けた家計の助言をするよう自治体に求めた 自治体の独自の助成の例 ・東京都中野区:国の基準で支給を受けられない生活保護世帯に、エアコン1台の購入・設置費を10万円まで助成(2026年4月〜2029年3月の3年度。区の庁議報告・2025年11月11日) 【背景】 ・生活保護では、日常の生活用品は毎月の保護費のやりくりで賄うのが原則で、一時扶助は保護開始時など「最低生活に必要な物がなく、緊急やむを得ない」場合に限られる(事務次官通知第7)。エアコンもこの家具什器の一つとして扱われる。 ・冬は基本として11月〜3月に暖房費などのための「冬季加算」があるが、夏の冷房の電気代に当たる加算はない(白山市議会の意見書・2025年9月26日)。 ・福岡県行政不服審査会は2021年11月11日、夏季加算の支給を求めた申請の却下について、そのような加算は保護基準にないとして棄却を妥当とした。基準そのものが違法かどうかは行政の審査では判断できない、としている。 【論点】 ・支給の範囲を広げ、夏季加算をつくるべきとする立場:生活保護問題対策全国会議などは2018年7月26日、厚労省に通知の周知と夏季加算の創設を求めた(しんぶん赤旗・2018年7月27日)。大石あきこ衆議院議員(れいわ新選組)は2024年10月1日の質問主意書で、受給中の世帯にも例外なく購入・修理費を出すことと夏季加算の創設を求め、同年9月に15団体が大臣あてに同じ要望書を出したと書いた(この質問主意書は答弁に至らず)。白山市議会は2025年9月26日、夏季加算の新設とエアコン支給の要件緩和を国に求める意見書を出した。大阪府行政不服審査会は2022年10月31日の答申で、受給5か月後にエアコンが故障した人の請求は国の基準に照らして棄却したうえで、「付言」として、保護開始時にエアコンがあればどれほど古くても買い替えを認めない運用は「早期に改めるべき」と述べた。 ・いまの仕組みを基本に慎重に考えるべきとする立場(政府):答弁書(2025年11月14日)は、エアコンの適切な利用は熱中症予防に重要としつつ、エアコンは保護費のやりくりで計画的に買ってもらい、開始時などは基準の範囲で購入費を出せる、とした当時の厚生労働大臣の答弁(2024年12月19日・参議院厚生労働委員会)を引いた。電気代については、2015年の生活保護基準部会の検証でも最近の家計調査でも、年平均と比べて夏に光熱費の支出が増える実態は確認できないとした政府参考人の答弁(2024年6月4日・参議院環境委員会)を引き、「慎重に検討する必要がある」とした。受給していない低所得世帯については、生活福祉資金の貸付や2025年7〜9月の電気・ガス料金の支援があるとして、新しい制度は考えていないとした。 【注意】 ・購入費の「5万円」は2022年の答申に引かれた通知の額で、2026年10月時点の最新の実施要領の額は、このサイトでは確かめられなかった。最新の扱いは福祉事務所で確かめる必要がある。 ・「約17%」は一部の都道府県を対象にしたサンプル調査からの国の試算で、都道府県別の数字はない。 ・熱中症による死亡者のうち生活保護を受けていた人の数は、国は把握していない。 ・審査会の答申は個別の事案についての判断で、法的な拘束力のある裁判の判決ではない。 【出典】 ・生活保護受給世帯及び低所得世帯へのエアコン設置推進等に関する質問主意書と答弁書(衆議院・2025年11月4日提出、11月14日答弁)https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b219037.htm ・政府がすべての生活保護世帯にエアコン購入・修理費用の支給を行っていないことに関する質問主意書(衆議院・2024年10月1日提出)https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a214002.htm ・大阪府行政不服審査会 令和4年度答申第28号(生活保護申請却下決定処分取消請求・2022年10月31日)https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/15513/0417_toushin0428.pdf ・大阪府行政不服審査会の答申の状況(令和4年度)(大阪府)https://www.pref.osaka.lg.jp/o040010/houbun/fufukusinsakai/tousin_zyokyo_04.html ・福岡県行政不服審査会 答申第134号(生活保護変更申請却下・夏季加算)(福岡県)https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/150055.pdf ・福岡県行政不服審査会 第2部会の開催状況(2021年11月11日答申決定)https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/2bukai-r3-07.html ・生活保護基準に夏季加算の新設を求める意見書(白山市議会・2025年9月26日)https://www.city.hakusan.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/011/818/r0709ikennsyo.pdf ・エアコン購入費助成事業について(中野区 健康福祉部生活援護課・2025年11月11日庁議報告)https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/kusei/kaigi/cyougi/2025/20251111.files/6.pdf ・エアコン購入費支給の周知と夏季加算を要望(しんぶん赤旗・2018年7月27日)https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-27/2018072715_01_1.html 【動画】 ・エアコン費用補助巡り生活保護利用者らが国に要望(18/07/26)(ANNnewsCH)https://www.youtube.com/watch?v=nZLG5kdk_9Y

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