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No.106新着 1990年の厚生省の「口頭指示」:外国人への保護の対象を永住者・定住者などに絞った経緯と、いまの国会での議論

外国人への保護の対象を在留資格で絞ったのは、1990年に旧厚生省が自治体へ出した口頭の指示だったとされる。文書の通知も法改正もなく、2026年3月の参議院でもこの点が取り上げられた。

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資料の日付
2026年3月9日
分野
外国人と生活保護
立場
賛否のある論点
タグ
外国人移民・難民制度改正
地域
日本
資料の種類
公的資料
テーマ
1990年の口頭指示

本文と出典

【要点】 ・外国人への生活保護は1954年の厚生省社会局長通知にもとづく行政措置だが、その対象を「永住者・定住者など」に絞ったのは、1990年に旧厚生省が自治体へ出した「口頭指示」だったと、研究者・支援者・報道が説明している。 ・この指示は法律の改正でも文書の通知でもなく、国会で議論されたものでもなかったと指摘されている(大澤優真氏・2021年)。 ・1991年3月の参議院法務委員会で、厚生省の保護課長は、永住者・定住者など日本人と同じような生活を営める外国人には予算措置で保護に準じた扱いをし、不法就労の外国人には適用できないと答弁している。 ・2026年3月9日の参議院行政監視委員会では、議員が「平成2年の企画法令係長の口頭指示」による限定を取り上げ、参考人の行政学者が口頭指示の位置づけについて意見を述べた。 【数字・中身】 ・いつ:1990年(平成2年)。imidas の記事(2021年8月6日)は「1990年10月」とし、東京新聞(2024年1月15日)は1990年の入管難民法の改正を機に旧厚生省の係長が口頭で出したと報じている。 ・誰が:当時の厚生省社会局保護課の企画法令係長とされる(2026年3月9日の参議院行政監視委員会での北村晴男議員(日本保守党)の質問による)。 ・中身:永住者・定住者・配偶者などの在留資格以外の外国人や、在留資格のない人を、保護に準じた措置の対象から外すよう、自治体に口頭で求めたとされる(imidas・2021年)。 ・それまで:自治体は留学生などにも保護を行っていたとされる(同)。東京新聞(2024年)は、1954年の通知以降、外国人の保護は在留資格の有無にかかわらず広く認められてきたと報じている。 ・1991年3月26日の国会答弁(厚生省社会局保護課長):生活保護法の対象は法律上日本人。永住者・定住者など日本人と同様の生活を営める外国人には予算措置で保護に準じた扱いをしている。外国人不法就労者には適用できない。 ・いまの厚生労働省の資料(2026年):対象は、入管法の別表第2の在留資格(永住者・定住者・永住者の配偶者等・日本人の配偶者等)、特別永住者、認定難民など。活動に制限のない「特定活動」なども対象になる場合がある。 【背景】 ・生活保護法は「国民」を対象とし、外国人への保護は1954年の通知による行政措置として「当分の間」行われている。 ・1990年は、出入国管理及び難民認定法の改正が施行された年で、東京新聞(2024年)はこの改正を機に口頭の指示が出されたと報じている。 ・口頭での指示のため、日付や文言をそのまま確かめられる公の文書は、このサイトでは見つけられなかった。 【論点】 ・「新たに制限したものではない」とする立場(当時の厚生省):imidas の記事(大澤優真氏・2021年)によると、厚生省は、対象は1950年の生活保護法の制定時から限られており、口頭指示はそれを確認するために出したもので、制限のためではないと説明したとされる。 ・「実際には対象を狭める働きをした」とする立場(大澤優真氏・ソーシャルワーカー、imidas・2021年8月6日):それまで自治体が留学生などにも保護を行っていたことから、指示は自治体の対応を変えさせ、対象を制限する役割を果たしたと指摘している。 ・「口頭指示に頼る運用でよいのか」という問い(2026年3月9日・参議院行政監視委員会):北村晴男議員(日本保守党)は、外国人への保護は国によって事実上決められているのではないかとし、口頭指示による限定について参考人の見解を求めた。曽我謙悟参考人(京都大学公共政策大学院院長)は一般論として、国が自治体に強く関与するには法律の根拠が要り、口頭での指示に従う義務があるとは限らないという理解もありうると述べた。小野達也参考人(追手門学院大学教授)は、あいまいな口頭指示はなくしていくべきだという趣旨を述べた。 【注意】 ・1990年の口頭指示は文書で公開されておらず、日付(10月とする資料が多い)や指示した者の役職は、報道・論者・国会での質問者の説明によるもの。厚生労働省がこの指示について公式に説明した資料は、このサイトでは確かめられなかった。 ・今の対象の範囲は、厚生労働省の資料(2026年)を見ること。1990年当時と同じとは限らない。 ・外国人への保護の大もとの1954年通知と、2014年の最高裁判決は別の記事を参照。 【出典】 ・参議院 法務委員会 第4号 炭谷茂 厚生省社会局保護課長の答弁(1991年3月26日・国会会議録検索システム)https://kokkai.ndl.go.jp/txt/112015206X00419910326/114 ・参議院 行政監視委員会 第1号 北村晴男議員の質問(2026年3月9日・国会会議録検索システム)https://kokkai.ndl.go.jp/txt/122114281X00120260309/116 ・同 曽我謙悟参考人の発言(2026年3月9日)https://kokkai.ndl.go.jp/txt/122114281X00120260309/117 ・同 小野達也参考人の発言(2026年3月9日)https://kokkai.ndl.go.jp/txt/122114281X00120260309/118 ・大澤優真「急増する困窮外国人のいのちを守れ!「本国が保護すべき」という論理を超えて」(imidas・2021年8月6日)https://imidas.jp/insight/f-40-223-21-08-g853/2/ ・働けなくなったら見捨てる? 急増する在留外国人に「生存権の保障」の司法判断は(東京新聞・2024年1月15日)https://www.tokyo-np.co.jp/article/302795 ・生活保護における外国人の取扱いについて(厚生労働省社会・援護局)https://www.mhlw.go.jp/content/001684937.pdf

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