No.104新着 医療扶助の中身(2025年6月審査分):入院は件数の7%だが医療費の68%、入院の28%が精神・行動の障害、65歳以上が医療費の7割
2025年6月審査分の医療扶助のレセプトでは、入院は件数の6.7%なのに医科医療費の67.8%を占めた(このサイトでの計算)。入院の28.3%は精神・行動の障害で、65歳以上が医療費の69.6%を占める(このサイトでの計算)。
本文と出典
【要点】
・厚生労働省の「医療扶助実態統計」(2025年6月審査分・2026年7月22日公表)で、医療扶助の医科の診療は190万2,230件。このうち入院は12万6,981件、入院外は177万5,249件。
・入院は件数では6.7%だが、医療費の点数では67.8%を占める(どちらもこのサイトでの計算)。1件あたりの点数は入院が約5万7,314点、入院外が約1,946点(このサイトでの計算)。
・入院の件数の28.3%、入院日数の39.5%、入院の医療費(点数)の20.8%が「精神及び行動の障害」で、いずれも病気の分類の中で最も多い。精神・行動の障害の入院では「5年以上」の入院が36.0%。
・65歳以上の分が件数の62.2%、医療費(点数)の69.6%を占める(このサイトでの計算)。
・2023年度の医療扶助費は1兆8,343億円で、生活保護費の50.4%。医療扶助を受けた人1人あたりにすると年約107万円(このサイトでの計算)。
【数字・中身】
医療扶助実態統計(2025年6月審査分・医科の一般診療):
・件数:総数190万2,230件(入院12万6,981件・入院外177万5,249件)
・決定点数:総数107億3,147万6,346点(入院72億7,770万5,659点・入院外34億5,377万687点)。1点は10円
・病気の分類で最も多いもの(「その他」を除く):総数は「循環器系の疾患」19.8%、入院は「精神及び行動の障害」28.3%、入院外は「循環器系の疾患」20.3%
・入院の中の割合:15〜34歳では「精神及び行動の障害」が62.5%
・入院期間:全体では「3か月未満」が62.8%、「5年以上」が12.7%。入院期間が「5年以上」の件数の80.7%が精神・行動の障害
・入院の医療費(点数)の分類別の割合:精神及び行動の障害20.8%、循環器系の疾患19.2%
・入院外の医療費(点数)の分類別の割合:循環器系の疾患19.0%、新生物(がんなど)12.2%
年齢(表番号1から、このサイトでの計算):
・65歳以上:件数の62.2%、点数の69.6%(入院では件数68.4%・点数70.7%)
・75歳以上:件数の40.8%、点数の46.8%
医療扶助費と人員の推移(厚生労働省 主管課長会議資料・被保護者調査など。人員は1か月平均):
・2023年度:被保護実人員202万576人、医療扶助人員171万2,181人(医療扶助率84.7%)、医療扶助費1兆8,343億円(生活保護費の50.4%)
・医療扶助の入院人員:1995年度12万3,924人 → 2023年度10万883人
・このうち精神の入院:1995年度6万4,399人 → 2023年度3万9,622人
・入院外の人員:1995年度55万5,903人 → 2023年度161万1,298人
1人あたりの比較(どれもこのサイトでの計算か、別の統計の数字):
・医療扶助費1兆8,343億円 ÷ 医療扶助人員171万2,181人 = 年約107万円(このサイトでの計算)
・国民全体の人口1人あたり国民医療費(2023年度):38万6,700円。65歳未満21万8,000円、65歳以上79万7,200円(厚生労働省「令和5年度 国民医療費の概況」)
【背景】
・医療扶助実態統計は、全国のレセプト(診療報酬明細書)のデータベース(NDB)にある、医療扶助だけで支払われた分(公費単独)をすべて集計している。旧名は「医療扶助実態調査」。
・受給者は高齢者が多く、高齢になるほど病気の数と医療費が増えることが、1人あたりの医療費が高い一因と考えられる。
・精神の入院は、1995年度と比べて人数は減ったが、2025年6月審査分でも「5年以上」の入院の8割を精神・行動の障害が占めている。
【注意】
・医療扶助実態統計は、2025年6月に審査された1か月分のレセプトの集計(一次審査分)。1年間の額ではない。歯科の入院は集計していない。
・件数は「1か月に1医療機関が出す明細書1枚」を1件と数える。人数とは違う。
・1人あたり約107万円は、年間の医療扶助費を1か月平均の医療扶助人員で割った大まかな値。国民医療費とは範囲や数え方が違い、年齢構成もちがうので、単純には比べられない。
・医療扶助費が生活保護費に占める割合は、この資料(主管課長会議資料)では2023年度50.4%。保護費総額の実績を使った別の記事では50.9%となっており、もとにした数字の範囲が違うと考えられる。
【出典】
・令和7年医療扶助実態統計の概要(令和7(2025)年6月審査分)(厚生労働省・e-Stat・2026年7月22日)https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040478353&fileKind=2
・医療扶助実態統計 表番号1 医科 一般診療件数・日数・決定点数、性・年齢階級・入院-入院外・傷病中分類別(厚生労働省・e-Stat・2026年7月22日)https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040478356&fileKind=0
・医療扶助実態統計(旧:医療扶助実態調査)(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/67-17.html
・令和8年3月17日 社会・援護局関係主管課長会議資料(資料3 保護課/保護事業室)「生活保護法による医療扶助人員、医療扶助費の年次推移」(厚生労働省・2026年3月17日)https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/001671241.pdf
・令和5(2023)年度 国民医療費の概況(厚生労働省・2025年10月10日)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/23/
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