生活保護しらべ生活保護の調べもん 日本と世界を比べて考える

言葉を空白で区切ると、そのどちらも含むものだけが出ます(例:外国人 最高裁)。
1語だけでも探せます(例:扶養照会)。

← 改革案・提言一覧へ戻る

No.95新着 生活保護と生活困窮者自立支援制度の「重なり合う支援」:2023年12月の審議会報告と2024年の法改正、残る懸念

社会保障審議会の部会は2023年12月27日、生活保護と生活困窮者自立支援制度の「重なり合う支援」を進めるよう報告し、2024年4月24日公布の改正法で、困窮者向けの就労準備・家計改善・居住支援の事業を受給者も使える仕組みが作られた(2025年4月1日施行)。

𝕏 でポストする

資料の日付
2024年4月24日
分野
改革案・提言
立場
意見・提言
タグ
就労・自立支援住まい制度改正
地域
日本
資料の種類
公的資料
テーマ
生活困窮者自立支援制度との一体化

本文と出典

【要点】 ・社会保障審議会の生活困窮者自立支援及び生活保護部会は2023年12月27日、両制度の見直しに関する最終報告書をまとめた。 ・報告書は、二つの制度は目的や対象が違う一方、本人の自立を支えるという共通の土台があるとし、支援が途切れないよう「重なり合う支援」(一体的な支援と連携の強化)をできる限り進めるべきとした。 ・これを受けた生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第21号)が2024年4月24日に公布された。生活困窮者向けの就労準備支援・家計改善支援・居住支援の事業を、生活保護の受給者も利用できる仕組みを新しく作った。 ・一方で、報告書は生活保護が「最後のセーフティネット」の役割を引き続き果たす必要があるとしている。 【数字・中身】 最終報告書が示した両制度の連携の状況(2023年12月27日): ・生活困窮者自立支援制度から生活保護につないだ件数:年間約1万5千件 ・生活保護の廃止後に生活困窮者自立支援制度へ移ったケースがある自治体:約3割(その自治体の平均は年4.7件) ・課題:困窮者向けの事業を使っていた人が生活保護に移ると、事業の実施主体が違って支援が続かないことがある。小さな自治体では、対象者が少ないことを理由に事業が行われないことがある 最終報告書の方向性: ・受給者向けの就労準備支援・家計改善支援・居住支援を任意事業として法律に位置づける ・そのうえで、困窮者向けの事業の中で受給者も支援できるようにする。その場合も、ケースワーカーが対象者を選び、利用中もフォローするなど、保護の実施機関の関与を担保する 2024年の改正法(厚生労働省の通知・2024年4月24日): ・受給者向けの就労準備支援事業・家計改善支援事業などの法定化、困窮者向け事業を受給者も利用できる仕組み、関係機関の会議体の設置など ・施行は原則2025年4月1日(一部は2024年10月1日など) 【背景】 ・最終報告書は、生活困窮者自立支援制度を、生活保護に至る前の段階で支援し、課題が複雑・深刻になる前に自立を促す制度と位置づけている。 ・2026年7月17日には同部会が開かれ、部会長の選出と、社会福祉法等の一部を改正する法律が議題になった(厚生労働省)。 【論点】 ・連携を進めるべきとする立場(社会保障審議会の部会・2023年12月27日最終報告書):制度をまたいでも支援の継続性・一貫性を保ち、地域の支援の資源を有効に使うため、事業の連携を進めるべきとした。 ・賛成しつつ体制の不足を心配する立場(連合の総合政策推進局長・2024年3月26日の衆議院厚生労働委員会参考人質疑):困窮者向け事業を受給者も使える仕組みに異論はないが、現場の業務が増えて支援の質が落ちないよう人員体制の確保が必要とした。就労準備支援と家計改善支援の必須事業化が見送られたのは残念だとした。 ・困窮者制度に頼ることへの懸念(日弁連・2019年2月14日の生活保護法改正要綱案):生活困窮者自立支援法の事業には、申請権や不服申立ての権利の保障などがない根本的な限界があり、実施体制も弱いとして、一歩手前の人への給付は生活保護法の中に位置づけるべきとした。 ・報告書の中でも、コロナ禍の経験を踏まえ、相談支援・貸付・給付の役割を検証したうえで今後の制度のあり方を考えるべきとの意見があったと記されている。 【注意】 ・「一体化」といっても、二つの制度を一つにまとめるのではなく、事業を相互に使えるようにする連携の強化である(2026年10月時点)。 ・改正法による利用の状況を示す全国の数字は、今回確かめられなかった。 【出典】 ・生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに関する最終報告書(社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会・2023年12月27日)https://www.mhlw.go.jp/content/12501000/001724330.pdf ・「生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律」の公布等について(通知)(厚生労働省社会・援護局長・2024年4月24日)https://www.mhlw.go.jp/content/001563155.pdf ・第30回 社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会 議事次第(厚生労働省・2026年7月17日)https://www.mhlw.go.jp/content/12501000/001724324.pdf ・第213回国会 衆議院厚生労働委員会 会議録(2024年3月26日・佐保昌一参考人)https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121304260X00520240326/4 ・生活保護法改正要綱案(改訂版)(日本弁護士連合会・2019年2月14日)https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/opinion/2019/190214_2.pdf 【動画】 ・令和6年度北九州市居住支援セミナー 02 生活困窮者自立支援法の改正(北九州市プレス(すしプレス)【北九州市公式チャンネル】)https://www.youtube.com/watch?v=NLbTjzpOXIk

関連動画

情報・意見(0件)

情報や意見を書くにはログインが要ります(読むだけならログインは要りません)。